「おんばれ」という、300年の歴史ある、五穀豊穣を願うお祭りを見に行ってきた。
かなりローカルなお祭りで、愛嬌がある。
二人の男の人、「おやじ」と「ぼん」が会話をしながら、田んぼを作っていく。
「もっとこねてこねて。」「ふーやっとここまでできた。」「あー、いい畔ができたぞ」
などなど。
見ている観客も、一緒に会話をするのが微笑ましい。
そして、牛が登場する。
ちなみに、バックミュージックは、太鼓と笛のお囃子で、お祭り気分満載です。
牛は、本当に牛の大きさなので、本物と見間違うほどですが、
中に、二人の黒子が入っています。
おんばれについての予備知識は、
「中に入っている男たちが、酔っ払ってて暴れだして怖い」
だったのですが、
子どもたちが牛に触りにいったりしてて、想像よりも穏やかな祭りでした。
牛に触ってる姿が、本物の牛に触っているようで、不思議な光景。
隣に座っていたおばあちゃんに、この後暴れるんですか?って聞いてみたら、
「私も、50年前に見たから、わからないんだけど、50年前はすごい暴れてて、子どもなんで危なくて触れなかったわよ。」
とのこと。時代の流れと共に、祭りも苦情がでないよう、安全なものになっていくのですね。
楼門が立派。地震で崩れた阿蘇神社を思い出します。
最後、牛はお宮にお参りをして、人の前にも繰り出していきました。
お祭りも終わり、さー帰るか~ソフトクリームでも食べたいねなんて、友人と話していたところ、
遠くで、牛が乗っている軽トラを発見した。
トラックの上から、「ちょっとまっとけー!!!」
といって、いったん通り過ぎた牛トラ
まっとけと言われたので、待つ私たち。
そこへ再び牛トラは現れたのであった。
「写真撮りたいなら、いいぞ。乗っても中に入ってもいいぞ!」
と言われたので、
すかさず、「中に入りたい!」
と言った私。
なんと中に入ることに!!!!!
牛の中は、竹で編んであって、結構重たい。
祭りの中で、水を浴びさせるシーンがあり、水を含んですごく重たいのです。
それを必死で持ち上げ、どうせとるなら顔も見えた方がいいだろ!って言われ
中に入りつつ、顔も見えるように少し牛を持ち上げ、
必死に重さに耐えながら、写真を撮ってもらった!!
5枚ぐらいは撮ってもらったはずだ。
それで、ありがとうございました~って言ったら、
よーし、
もう少しだ、ついてこい!
てな感じで、牛についていくことになった。
牛は、お祭りのあとに、いろんなお店などを周り、商売繁盛を願うかわりに、お捻りをいただいていた。
「ビール飲むか?」「俺たちと一緒に回って、一緒にお酒飲んでいいぞ!」
とのこと、かなりの軒数を回って、そこここで、お酒を飲んできたのでしょう、もうべろべろです。
牛が周っていく姿を一目見ようと、牛を追いかける追っかけになった私たち。
牛は、今はそんなに暴れないとはいえ、玄関に入るより少し大きいサイズ。
みんな口々に
「もう、そこでいいです。それ以上入んないでいいよ。」と。
ありがたいんだけど、店を荒らされるのを警戒している発言が多く、それもまた面白い。
そして、温かく、わたしたちにもジュースをくれる。ありがたや~。
まだまだ行く、牛トラック
そこへんで、私たちは衝撃的事実に気づくのです。
あんなに、頑張って牛を持ち上げている雄姿が、
一枚もカメラに残っていないということを。
酔っ払って、きちんとシャッター押せていなかったのです。
がびーーーーん。
地区のお宮に牛が参っている姿。
牛を追いかけている間に、
牛を引っ張っているこしみののおっちゃんが、このお祭りについてちょこちょこ解説をしてくれていたので、
そいつがすごくためになりました。
さっきの立派な楼門があったお宮、これは、全国の八幡様の総本山の宇佐神宮の、別宮八幡。
そして、ここのお宮は別宮の別宮だそうです。
結構立派な神社。
このお祭りは、5つの地区が持ち回りで行っていて、今年はこの地区の人たちが担当なので、ここの神社にお参りに来たのだそう。
「5年ぶりだけんのう。」といって、お参りをまっていた人たちは、80代ではなかろうか。
お祭りも高齢化の波がやはり押し寄せている。
スナックのドアをぶっちぎって、中に乱入。
牛を店の中において、酒を頼み、楽しみだす祭り集。
とはいえ、ここでも、私たち小娘二人にも、温かく飲み物を振る舞ってくれる。
この地域の人たちは、やっぱりとても懐が深い。
この地区は、全然帰ってこんって怒られるけんな
と言いながら、
この後、しぶしぶ牛をお宮に返しに行くのであった。
あの楼門をくぐり、
遅くまで待っていた宮司さんに挨拶をした。
彫り物も立派!
翌日は、朝7時から、田植えの儀式が行われるらしい。
あの、おっちゃんたちは、これからまたスナックで飲み直すようだったけど、
田植えのお祭りに、間に合うのかしら。
田舎ならではの、あったかいお祭りでした。
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