2016年7月30日土曜日

おんばれ祭りの牛を追った!

友人から誘われて、

「おんばれ」という、300年の歴史ある、五穀豊穣を願うお祭りを見に行ってきた。




かなりローカルなお祭りで、愛嬌がある。

二人の男の人、「おやじ」と「ぼん」が会話をしながら、田んぼを作っていく。

「もっとこねてこねて。」「ふーやっとここまでできた。」「あー、いい畔ができたぞ」

などなど。

見ている観客も、一緒に会話をするのが微笑ましい。



そして、牛が登場する。

ちなみに、バックミュージックは、太鼓と笛のお囃子で、お祭り気分満載です。


牛は、本当に牛の大きさなので、本物と見間違うほどですが、

中に、二人の黒子が入っています。


おんばれについての予備知識は、

「中に入っている男たちが、酔っ払ってて暴れだして怖い」

だったのですが、

子どもたちが牛に触りにいったりしてて、想像よりも穏やかな祭りでした。

牛に触ってる姿が、本物の牛に触っているようで、不思議な光景。

隣に座っていたおばあちゃんに、この後暴れるんですか?って聞いてみたら、

「私も、50年前に見たから、わからないんだけど、50年前はすごい暴れてて、子どもなんで危なくて触れなかったわよ。」


とのこと。時代の流れと共に、祭りも苦情がでないよう、安全なものになっていくのですね。




楼門が立派。地震で崩れた阿蘇神社を思い出します。




最後、牛はお宮にお参りをして、人の前にも繰り出していきました。





お祭りも終わり、さー帰るか~ソフトクリームでも食べたいねなんて、友人と話していたところ、


遠くで、牛が乗っている軽トラを発見した。




トラックの上から、「ちょっとまっとけー!!!」


といって、いったん通り過ぎた牛トラ


まっとけと言われたので、待つ私たち。


そこへ再び牛トラは現れたのであった。


「写真撮りたいなら、いいぞ。乗っても中に入ってもいいぞ!」


と言われたので、

すかさず、「中に入りたい!」


と言った私。


なんと中に入ることに!!!!!


牛の中は、竹で編んであって、結構重たい。

祭りの中で、水を浴びさせるシーンがあり、水を含んですごく重たいのです。


それを必死で持ち上げ、どうせとるなら顔も見えた方がいいだろ!って言われ

中に入りつつ、顔も見えるように少し牛を持ち上げ、

必死に重さに耐えながら、写真を撮ってもらった!!


5枚ぐらいは撮ってもらったはずだ。


それで、ありがとうございました~って言ったら、

よーし、

もう少しだ、ついてこい!


てな感じで、牛についていくことになった。


牛は、お祭りのあとに、いろんなお店などを周り、商売繁盛を願うかわりに、お捻りをいただいていた。


「ビール飲むか?」「俺たちと一緒に回って、一緒にお酒飲んでいいぞ!」


とのこと、かなりの軒数を回って、そこここで、お酒を飲んできたのでしょう、もうべろべろです。




牛が周っていく姿を一目見ようと、牛を追いかける追っかけになった私たち。


牛は、今はそんなに暴れないとはいえ、玄関に入るより少し大きいサイズ。

みんな口々に

「もう、そこでいいです。それ以上入んないでいいよ。」と。

ありがたいんだけど、店を荒らされるのを警戒している発言が多く、それもまた面白い。

そして、温かく、わたしたちにもジュースをくれる。ありがたや~。





まだまだ行く、牛トラック


そこへんで、私たちは衝撃的事実に気づくのです。

あんなに、頑張って牛を持ち上げている雄姿が、

一枚もカメラに残っていないということを。


酔っ払って、きちんとシャッター押せていなかったのです。

がびーーーーん。




地区のお宮に牛が参っている姿。



牛を追いかけている間に、

牛を引っ張っているこしみののおっちゃんが、このお祭りについてちょこちょこ解説をしてくれていたので、

そいつがすごくためになりました。


さっきの立派な楼門があったお宮、これは、全国の八幡様の総本山の宇佐神宮の、別宮八幡。

そして、ここのお宮は別宮の別宮だそうです。

結構立派な神社。

このお祭りは、5つの地区が持ち回りで行っていて、今年はこの地区の人たちが担当なので、ここの神社にお参りに来たのだそう。

「5年ぶりだけんのう。」といって、お参りをまっていた人たちは、80代ではなかろうか。

お祭りも高齢化の波がやはり押し寄せている。



そうかと思いきや、

スナックのドアをぶっちぎって、中に乱入。

牛を店の中において、酒を頼み、楽しみだす祭り集。

とはいえ、ここでも、私たち小娘二人にも、温かく飲み物を振る舞ってくれる。

この地域の人たちは、やっぱりとても懐が深い。




この地区は、全然帰ってこんって怒られるけんな


と言いながら、

この後、しぶしぶ牛をお宮に返しに行くのであった。


 あの楼門をくぐり、

遅くまで待っていた宮司さんに挨拶をした。




彫り物も立派!





そして、無事、牛はあるべき場所に戻された。

翌日は、朝7時から、田植えの儀式が行われるらしい。

あの、おっちゃんたちは、これからまたスナックで飲み直すようだったけど、

田植えのお祭りに、間に合うのかしら。


田舎ならではの、あったかいお祭りでした。

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